宝物庫へ
| 私の名はブルー。ジンベエ・フォン・シャーク・スコッチ様の側近を勤める者。ギャラクティックジョーズの外は晴れ晴れとした冬の晴天。しかし日誌を付ける私の筆は重い。 今、目の前に、我が主ジンベエ様が「地球の文化収集と解析」の為にと集めてきたサンプルが所狭しと並んでいる。ジンベエ様がいたく気に入り、「船内の至る所に飾っておけ」と意気揚々と持ち帰った物だ。 何やら切れ込みが入り、白地に青と赤の模様の入った「ノレン」と呼ばれるカーテン。 家に置くと金銭を呼んでくれるらしい「マネキネコ」。 地球で、一家の跡取りの健やかな成長を願うものである「コイノボリダンチサイズバージョン」。 何故か宇宙の恒星に願いを託す道具らしい「ササノハタナバタカザリ」。 ………別にいい。別に良いのだ。これも仕事。ジンベエ様の補佐が私の仕事。別に良い。しかし。 ＜ブルーは何故かテーブルの上の「もみじ饅頭」を手に取りぱくりと一口やる。＞ …………この星には、もっと高尚で気品溢れる文化物があると思うのだが………。 例えばだ。この星の「イ○モ」と呼ばれる地方に居住している方から頂いた、ジンベエ様と私の肖像画が壁に掛かっている。この国の伝統的な作画法を用いた肖像画で、目を見張るほど素晴らしい出来映えなのだ。 もちろんジンベエ様も五回転ジャンプ（いや、今旬だから）を跳ぶほどにお喜びになり、早速肖像画を飾るための額縁を用意してきた。……用意してきてしまったのだ。 ＜ブルーはその時のことを思い出し、また思わず顎が落ちそうになってしまった。＞ フランス王朝時代に作られた、一八金の枠にルビーの大輪の薔薇の花をちりばめた額縁を………。 ………いや、あの方は、ジンベエ様は心はお優しい方なのだ。肖像画の送り主がジンベエ様へと贈ったこの植物の葉を型どった菓子も「うむ、うまい。皆で相伴するに値するぞ！」と、ポケットマネーで乗員全員に配ってくれたのだ（この国の通貨“エン”は、郵便局で等価交換してきたらしい←何の通貨と？）。とても、心根はお優しい方なのだ。 ………ただ、ちょっと、少しばかり、感性が高尚すぎて、我々一般人には、理解が及ばないだけなのだ。………きっと（ちょっと汗）。 ＜その時、ドアの向こうからブルーの主人の声がした。理由は分からないが、すこぶる機嫌の良い声だ。＞ 「ブルー！居るか！！見て見ろ！！私はまたこの星の貴重かつ美しい文明を手に入れてきたぞ！！」 あああ、また今度は何を持ってきてしまったのだあの方は……っ！！何なのだあの茶色い動物の置物はっ！！！何故動物が陶器の瓶を背負い編み笠被っているのだぁっ！！（←編み笠知ってたんだねブルーさん） ＜ギャラクティックジョーズの内部は、今日も着々とオールドニッポンナイズされていっている………＞ |
| サイト立ち上げ１ヶ月のお祝いに１ファンよりということでで頂いた「ジンベエSS」です。 ウチのジンベエは、 「匿名の贈り物・・・・なんという奥床しさだ！花のような少女に違いない！」 と、バラの香りのする便箋に鵞ペンでなにやら礼状を書きまくっておりました。 お会いできれば奴はきっと熱く抱擁してくることでしょう！ 「イ○モの絵師」とは、イメージイラストを描いて下さった方のことですね。 尚、これを頂いたときは、冬季オリンピックが行われ、フィギュアの選手達がクワドラブルを飛んでおりました。 管理人は既に狂喜乱舞状態です！ １ファン様（・・・・って目次には本名？がありますが）本当に有難うございます！ |