ソーンダイクはサングラスを取り、額の汗を拭った。 「私の仕事は終わりました。マリオ、後はあなたの仕事です・・・・・」 「OK・・・」 ソーンダイクはアンリの横でマリオの仕事を見ていた。まずは一段落ついた。この先の自分たちの運命はわからないが、計画のほぼ半分は消化したことになる。 マリオはバックパックから時限装置付きの爆弾を取り出して部屋のほぼ中央にセットした。 「よーし、俺も終わりだ。」 マリオが、タイマーのスイッチを入れたとたんにブザーが鳴って隔壁が降りてきた。 「ソーンダイク！アンリ！外に出ろ！」 マリオの叫びに反応し、二人は廊下に出たが、足から滑り込んでいったマリオの前で無情にも隔壁は閉じた。 外部と遮断され、照明も消えた部屋の中で、マリオはコンピュータと対話するように呟いていた。 「�｢・・�｢俺の手落ちだよ。これも一種の安全装置か？�｢�｢�｢隔壁は丈夫そうだな・・・・このまま普通に爆破すりゃああんたも壊れれるが、俺もバラバラになっちまう。」 しかし、マリオはニヤリと笑った。 「・・・・だがな、あんた・・・・・俺がタイマーを止めると思うか？」 外ではアンリがどんどん隔壁を叩いていた。ソーンダイクは解錠装置を使っていたが、首を振ってアンリの手を引いた。 「行きましょう。ここで私達にできることは何もありません。おいおい追っ手も来ます。」 アンリはぎょっとした。 「あなた、この中の人を見捨てるんですか!?」 ソーンダイクは顔色をかえなかった。（カイユンならば口元が少し歪んでいるのがわかっただろうが） 「�｢�｢マリオは”行け”と言いました。私はこれから別の場所で行動をせねばなりません。アンリ。あなたはもう、研究員としてここから逃げてください。」 アンリは、自分の着ていた白衣を脱いでソーンダイクに羽織らせるとサングラスを取り上げて胸ポケットにはさんだ。 「そうすればあなたもここの研究者に見えます。外まで僕と一緒に出ましょう！」 出口で幾人かの兵士が走ってきたが、青白い顔をした二人連れに気をとめるものはいなかった。 アンリはそのまま、研究員の避難場所に走った。ソーンダイクは人類教育学研究棟へ向かった。夏の空気のなか、汗だくになった彼が施設の高い壁までたどりつくと、監視兵が鋭い目で睨み、後ろから白衣の衿を掴んだ。 「お前、そこで何をしている？」 ソーンダイクは息をきらしながらうずくまった。 「コンピュータ棟の・・・・・大変なんですが・・・こちらは・・・大丈夫ですか？」 監視兵は”なんだ”という顔をした。 「お前さん、研究員か。�｢�｢�｢平気だよ。コスモ・アーミーの応援も届いたからな。怪しい奴は来ていない。あんたが一番怪しいくらいだ。・・・身分証を見せろ。」 ソーンダイクは懐に手をやって、身分証ではなくパラライザーを抜き出して兵士を倒した。 壁に爆破装置をセットし頭を抱えて待つこと十五秒、マリオの爆薬は見事に穴を開けてくれた。 そこは庭だった。よちよち歩きの幼児が、保育士と楽しそうに遊んでいた。ソーンダイク自身は、この建物の地下、コンピュータに管理されて育った。彼は幽かな目眩を感じた。保育士たちは、子供をかばうように胸に抱き締めた。 「こら！君達！出てはいかん！」 係官の声を背に受けて、十数人の少年少女がソーンダイクの開けた壁の穴に向かい走ってきた。 「外だ！」 「あれが外なんだ！」 口々に叫び逃げていく。建物の内部でもあちこちで騒ぎが起こっているのがソーンダイクにはわかった。 「・・・突入しますか・・・」 白衣姿で彼は悠然と歩いていった。 昔の記憶をたどり、自分が収容されていた地下へ降りていく。非常ベルが鳴り、ソーンダイクの背格好が放送された。 コンピュータにより教育されている子供達の部屋の並ぶ廊下にまで来て、ソーンダイクは思わず自分の暮らした部屋を捜した。扉の様子は昔のままで、中に居る子供の名を示す札だけだ変っていた。 そのとき、五歳くらいの小さな男の子が角をまがって現われた。 パールイエローの髪、青い瞳。幼いながらアレックスにそっくりだ。クローン実験体ということは容易に察しがついた。男の子はソーンダイクを見てにっこりとした。しかし、愛らしい小さな手には銃を握っていた。 ソーンダイクは彼としては滅多にないことだが、感情をこめていった。 「そんなもの使ってはいけない！」 男の子は妙な表情をした。彼はだいぶ前から銃の使い方を彼の教育士に習ってきた。実戦経験はないが、男の子はシミュレーションで腕に自信を持っていた。だから教育士もこうやって彼に侵入者狩りを命じたのだ。�｢・・�｢この、ひょろっとした弱そうなのが本当に侵入者だろうか？ ソーンダイクはなおも言った。 「よしなさい。後で苦しくなる！取り返しがつかなくなる！」 男の子は生まれてから教えこまれてきたことを放棄する予定は現在も未来もなかった。 だから彼は迷わずにトリガーを引いた。 銃弾が貫通し、赤い血が飛び散った。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 「追い詰められたな・・・・・」 ロマノフは銃のカートリッジを交換した。 カイユンも窓から下を見た。 「窓から逃げる訳にはいかないようですね。」 ロマノフは、ジョーとカイユンを見た、それから、近付いてくる敵の足音を聞いた。ジョーは微笑んだ。 「仕方ないわ。�｢・・�｢ここで銃撃戦ね。」 ロマノフは、再びジョーとカイユンを見た。 「�｢・・�｢ジョー、カイユン、私はここで暫く敵を引き付けておく。その間に、配管口を伝って下まで逃げなさい。」 ジョーは、はねつけた。 「いけないわ。�｢・・�｢引き付けるって・・・そうしたらあなたはどうなるの？」 ロマノフの口調はあくまで穏やかだった。 「私の腕を信じなさい。・・�｢�｢諜報員時代は、銃の腕は連邦で五本の指のうちに入っていたんだよ。」 「それはわかっているわ。だったら三人一緒にここに居てもいいじゃないの！」 彼はジョーと向き合い、彼女の肩に両手を置いた。 「ジョセフィーヌ、私は心に決めたんだよ。�｢�｢・・私は妻のナターシャも、娘のアニタも守ってやることができなかった。むしろ、二人は私が死に追いやってしまったようなものだ。�｢・・�｢せめて、一生に一度くらいは誰かを自分の手で守り切ってやりたいんだ。�｢・・�｢それに・・・・君たち二人が居ない方が自由に行動できる。さあ、行きなさい。行って生き延びなければ私は怒るよ。・・�｢�｢カイユンを頼む。カイユン、カイユンはジョーを頼む。」 カイユンは素直に頷き、ブラスターをレーザーに持ちかえて、配管口の入口を焼き切って広げ、ジョーを促すように見た。 ロマノフはジョーをカイユンの方に押しやった。 「早く！�｢・・�｢海でまた会おう！」 ジョーとカイユンは水道管にしがみつき、下へと降りていった。三階くらいまで降りたとき、上で大きなドーンという音がした。 二人は止まった。 「�｢�｢・・カイユン、あたし、棟内に居る兵士を一階から遠ざけてみるわ。一階から誰も居なくなったらカイユンは液体窒素と液体ヘリウムと液体アンモニアのタンクを破壊して。外一面、霧と臭気で、なんとか隙をつけるとおもう。配偶子バンクはもう無理だからそのまま逃げてね。大丈夫、カイユンだったら逃げられるわ。・・・・危なくなったら私たちがいろいろ教えたことを思い出して！」 カイユンは曖昧に頷いた。ジョーは水道管に取りついたままランチャーを背負った。二人は下まで降り切った。 カイユンはジョーの傍に寄った。そして、静かにパラライザーのトリガーを引いた。ぐったりしたジョーの体を片腕で支え、カイユンは自分でランチャーを持った。 「最後の最後で言うこときかなくてごめんなさい。でも、逆の方がいいですよ。・・・僕が兵士を遠ざけます。先に行ってくださいね。・・・・メモリは最弱、すぐ元に戻ります。・・・・・さようなら・・・・・」 カイユンはジョーを床に降ろし、手を軽く握ると一階では曲がりなりにもついていた配管扉を開けて出ていった。 なんとか体に感覚が戻ってくるとジョーは扉から出た。長い廊下には兵士がたった一人だ。扉を開けると同時にパラライズさせた。少なくともカイユンは兵士を階上に引き付けることには成功したらしい。 （あのバカ・・・・外の動きをとめたらすぐ行くわよ。持ちこたえていなさいよ！） ヘルメットと衿の間のジッパーをしっかり閉めて彼女は窓越しに窒素、ヘリウム、アンモニアのタンク群を破壊した。外の人垣が遠くに下がった。ジョーは階段を駆け上がった。踊り場を守っていた兵士を蹴り倒し窓の外を見れば一面の霧だ。 その中を、上から何かが落ちていった。 ジョーは窓から下に飛び下りた。 落ちてきたものが何か、ジョーにはよくわかっていた。 わかっていて、信じたくはなかった。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ カイユンは五階の廊下で左右から追い詰められていた。兵士は合わせて十人以上は居る。 カイユンは考えた。パラライザーでは十人を相手にできない。レーザーやブラスターは使えない。彼は相手を殺すことなど露ほども思わなかった。光弾、煙弾の手持ちは底をついていた。 カイユンの思考基準は、どうすれば彼に目が引き付けられてジョーがより逃げやすくなるかだった。 ・・・・だから、カイユンは通常では考えられないような行動に出た。 窓から飛び下りたのだ。 カイユンの意に反し、ジョーは逃げなかった。遠くからカイユンの落下に気づいた兵士がやってくる。 ジョーは、カイユンの横に跪いて彼の手を取った。手には力がなく、脈はなかった。ヘルメットの外れた頭から血が流れ小さな血だまりができ、首は、普通の人間ならば曲がりようのない方向に奇妙に曲がっていた。 「どうして？・・・・大バカ！・・・・・あたし・・・・こんなのいや！・・・納得なんかできない！・・・・」 霧のなかで、ジョーは左腕でカイユンの体を優しく抱き上げ、彼の傍に落ちていたランチャーを右で構えた。そのまま直進する。 霧が薄くなり、兵士の姿がぼんやりと見えてきた。 その兵士が、ぎゃあと叫んでうずくまった。何か大きなものが頭にくっついている。空から、猿のような顔と鋭いくちばしを持ったトグラが急降下してきたのだ。 と、同時に、ジョーは、カイユンごと誰かに抱きすくめられ、気づくと海に面した断崖の上にいた。伯父のブライトが彼女を気遣わしげに見ていた。 「・・�｢�｢市内に居る仲間から情報があってね・・・�｢�｢彼は・・・・・すまない・・・・少し遅すぎたようだね・・・・・」 ジョーは、カイユンの顔をじっと見つめていた。 「何故・・・・・来たんです・・・・・」 「私の大切な姪だ。�｢�｢仲間も何人か協力してくれたよ。」 「・・�｢�｢あたしは帰らないのに・・・。あたしはエスパーじゃない。�｢�｢�｢�｢ゼナ母さんも癒し手なんかじゃなかったのかもしれない。母さんは一人の人間としてルノーを愛しただけ・・・・きっとそれが癒しに繋がっただけ。」 ジョーはカイユンを抱き、眼下に広がる青い海にその体を落とした。 「カイユンは海で暮らしたいっていっていたの。�｢�｢�｢ずっと・・・・ずっとそこに居ていいのよ。・・・・もう誰も邪魔なんかしないから・・・・・ね・・・・・」 ブライトはジョーの肩を掴んだ。 「一緒に行こう。�｢�｢�｢タニアがトグラと頑張ってくれているうちに・・・・タニアは言っていたよ。カイユン君はジョーを信頼していた。素敵な人に違いない、だから私も頑張る、と。�｢・・�｢他の者はともかく私とタニア、それにシャイナは一人の大切な人間としてジョーを迎えにきているんだよ。」 一機のコスモ・アーミー戦闘機が上空に現われた。それは意外にも地上の兵士を攻撃しはじめた。飛行は華麗、射撃は正確無比。こんなことができる男をジョーは一人しか思いつかなかった。続いて幾機か続いてやってきて、やはり地上を攻撃しはじめた。 「あの・・・・馬鹿アレックス・・・・・。」 ジョーの目は爽やかに光っていた。 「�｢�｢�｢伯父さん・・・・あたしは帰らない。�｢�｢�｢ああいう風に、あたしと同じ大馬鹿をやる人間が居るかぎりはね。�｢�｢助けてくれて有難う。でも、あたしは行かなくちゃ。・・・・配偶子バンクを破壊するの。」 ブライトは首を振った。 「こんなことをゼナが望むとは思えんがな・・・・・�｢�｢�｢勝手にやるがいいさ。」 ジョーはブライトにキスした。 「ジョー、最後に聞かせておくれ。�｢�｢配偶子バンクとやらは正確にはどこにある？」 「・・�｢�｢あの五角形の中心。地下３０メートル丁度。」 次の瞬間、ジョーは白い清潔な場所にいた。彼女はブライトに感謝した。 そこでは、避難せずに残っていた研究員達が突如現われたジョーに驚愕していた。 後の仕事は簡単なはずだった。遺伝子サンプルはデリケートなものである。完全破壊しなくとも、温度調節装置を狂わせただけで学術的に無価値となる。 ジョーは、研究員を一人立たせて銃を突き付け、背丈の高い大きなゲートを開けさせた。・・・・彼女は思わず口を押さえた。 そこは配偶子バンクではなかった。人工胎盤を備えたカプセルが立ちならび、色々な成長段階にある胎児が人工羊水中に浮かび、時折ピクピクと動いていた。 それは、生命というよりはグロテスクで吐き気を催させるものであった。ジョーはそのカプセルの間を足早に通りすぎた。それは生きている人間だった。殺すことはできなかった。 隣の部屋は機械の並んだ部屋であった。ここにも一人の研究員が残っていた。研究員は、怯えながらも動こうとはしなかった。そして、震え声で言った。 「・・・あれらは、生きているんですよ。・・・」 更に小部屋をはさんだ次の部屋が配偶子バンクであった。 ジョーはその大きさに圧倒された。彼女たちの立つ位置から更に十メートル地下にまでリフトがあり、断熱プラスティック越しに小さな管に入ったサンプルが並んでいた。プラスティックを隔てた温度はマイナス240℃、ブラスターを満遍無く浴びせれば一瞬で死ぬだろう。 死ぬ？ そう、あれらは生きている。 あのサンプルも掛け合わせて育てれば、先程の胎児のように立派な人間の形になる。マリオも、アレックスもああしてカプセルのなかで育ったのだ。 ジョーは、床にぺたんと座りこんだ。 ここのサンプルを提供したのは多種多様な人間だ。科学者、哲学者、文学者、芸術家、政治家、軍人・・・・シークレットチームに編入されたとき、ジョーのものも提出させられた。大人になったついこの間、カイユンのものも入れられたはずだ。 人為的な掛けあわせによって、宇宙全体に幸福をもたらすような仕事をする大科学者が生まれるのかもしれない。人の心を豊かにする作品を書く作家が生まれるかもしれない。・・・・戦乱に乱れる世を平定する政治家が生まれるかもしれない・・・・・・・・しかし、それは彼女のブラスターの一撃で全て終わりになる。まだ生まれてはいないが、数万人の瞬時大虐殺だ。 ”ヤメテ” ”コロサナイデ” ”イキタイノ” ”ウマレタイノ” ”ヤメテ” さやさやという囁きが彼女の頭の中に響いた。 ”イキテイルノヨ” ”コロサナイデ” ”コロサナイデ・・・・・” ”・・・・・コロサナイデ�｢�｢�｢�｢” 冷汗がべっとりと彼女の背を濡らし、体が急速に冷えてきた。目も鼻もなく、口だけを大きく開けた胎児が飛びかっかってくるような幻想に囚われ、彼女は左手で額を拭った。その左手は先程のカイユンの血で赤く染まっていた。 さやさや言う声は止んだ。 「�｢�｢�｢・・・あたしの考えていることは間違っているかもしれない。�｢�｢�｢でも、あたしはやらずには居られないの。・・・・・あたしは人間が好き。そして、人間が科学だけで、生きている人間の勝手な都合だけで生まれさせられるのは良くないと思うの！」 �｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣�｣ ジョーが、約束した海岸についたのは、その日の日暮れだった。遠くの空はどんよりけぶっている。 アレックスが、コスモ・アーミーと戦っている間に、彼女は乗り捨てられた軍のエア・バイクに乗り、燃料が切れると徒歩でここまでたどりついたのだ。崖の上から固い草の生えた急斜面を滑り降りると、二百メートルほどの短い砂浜。彼女は黒い小さな円筒容器を両手でしっかりと胸に抱いて、一歩一歩砂に足を取られながら、小型機を隠してある洞窟まで走った。 彼女は、誰かに迎えてほしかった。中に入ったとたん 「遅かったじゃないか！」 「無事で良かった。」 「・・・・待っていました。」 と、声を掛けてほしかった。 しかし、そこには誰も居なかった。自分の足音だけがやけに大きく響いた。 ジョーは洞窟の口まで出て、円筒を大事そうに抱えて座った。どんなに小さな光や音も逃すまいと、崖の上を見上げ、目を懲らし、耳を澄ませた。空には星一つ無く、空しく波の音だけが聞こえてきた。 彼女は見上げ続けた。 もう、夜半をとうに過ぎていた。 かさっと音がした。 ピクリとして音の方を向くと、打ち上げられた海藻が乾いて風に鳴る音だった。 彼女は唇を噛んだ。 徐々に風が強くなり、しぶきは彼女のところにまで吹きつけてきた。 目に砂が入り、涙が一筋こぼれた。ジョーは唇を噛むのをやめた。そして、降り始めた雨としぶきと涙で顔を濡らし、大声で泣いた。怒涛のうなりにかき消されながら、声を張り上げて泣いた。 陽が昇る頃に、雨は止んだ。 陰欝な日の出だった。雲は低くたれ込め土気色の朝日がぼんやり射し込んでいる。 海水と雨水を浴び、濡れねずみになったジョーの髪の先から、ポタポタと水滴が落ちた。少しうとうとして、弛んだ腕の中から円筒が転がり落ちて小石にあたってカランと音をたてるとジョーははっきり目を覚まし、円筒を拾った。 「御免なさい。�｢・・�｢私�｢・・�｢しっかりするわね。しっかり生きるわね・・・・・」 彼女は小型機によじ登り、乾いた布を捜して髪を良く拭いた。携帯食を取り出し、一食分を良く噛んで食べ、水を少し飲んだ。 彼女は円筒に語りかけた。 「もう少し待たせてね。�｢・�｢�｢誰か来たとき、居てあげなくちゃ・・・・・そうでしょう？・・・」 そして、また、崖の上を見つめるのだった。 |
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