②開始！
注）赤字は管理人の問いかけ＆お客様のご回答です また、チャット時とは少々話の流れなどが変わっておりますことをご了承下さい。 ナレーション：「ここは私立「さきがけ」学院校門。門に向かって一人の女性とがセーラー服の裾を翻して全力疾走してきた。彼女の名は中里くるみ。両親の仕事の都合で転入してきた転校生である。」 史生は左手に持ったメモを横目でちら、と見ながら抑揚なくやる気なさそうにナレーションを続けていく。 「さきがけ学院は決して有名進学校というわけではないが歴史ある学校であり、部活や学校行事も盛んでここを第一志望として受験してくる生徒も多い。留学生や帰国子女も多数いる国際的雰囲気をもった学院である。」 あの、史生さん、あまりにも淡々としすぎているのではないでしょうか。 史生は紙片を置くとチタンフレームのメガネにちょっと手をやりすうっと目を細くした。 「ナレーションというものは、邪魔にならないようにするものでは？」 あ、いや、これは青春モノなんでして、少しは、その気合が入った、とか熱を帯びた、とかそういう読み方が・・・・ 「それで？」 え？ 「他に言いたいことは？」 ・・・・・・・・ありません。（しくしく） うわ、総帥でさえなんかオーラを感じたらしくて退いちゃってるよ。と、とにかく続けましょう。くるみちゃん出番です、全力疾走だからね。 「あーん、転校初日早々遅刻しちゃうー！目覚ましをセットし忘れるなんてあたしのバカー！」 細かいことを言えば、目覚ましのセットし忘れは二次的なことだ。電車の中で詰襟を着た爽やかな感じの男子学生に見とれて一駅乗り越したのが大きな理由である。あの高校生、運命のようなものをちょっとは感じていたんだけど・・・・途中から乗ってきたばら色の髪の女の子、あれは彼女よね・・・・・・一目ぼれ＋失恋で千路に乱れた乙女心は現在疾走しているせいで文字通り早鐘のように打っている。 「だーもーッ！一応あたしってば本当は23歳なんですからねッ！疲れるよー（泣）」 と、へばって足が上がらなくなっていたせいか校門前のどうということもない平坦な道でくるみは足がもつれて転んでしまった。 「あ、痛ー！」 「君、大丈夫？」 盛大に転んだ彼女の目の前に手が差し出された。くるみが差し出された手の主を転んだ体勢のまま見上げるとそこには・・・★★★ さて、ここで観覧中のお客様に誰がいたかをお聞きします。これ、一体誰でしょう。あれ、総帥、目、キラキラさせてどうなさったんですか。 「たいていここで本命が登場するのですわッ！中学の頃からの幼馴染とか、小さい頃に大好きだったけれど今は疎遠になっている“王子様”とかｖｖｖｖおそらく成績抜群で主人公はあとから自分を磨かないといけない羽目に陥るのですわッｖ」 ・・・ど、どこでそんな知識を仕入れたんですか!?あ、男連中の方には緊張がはしってますね・・・・・あ、お客様からの入力が今ありました。 やっぱりここはアレックス中尉でしょうか。 おお、そう来ましたか。 マリオに背をどやしつけられてアレックスが前に出る。呼ばれることなど考えていなかったらしく急いでブレザーに手を通す・・・・・つくづくあんたは何着ても似合うね・・・・・ 「キャー・・・・・・あなたが私の王子様なの？」 あ、抱きついてる・・・・・ 「・・・・・・・・・・・・・あの・・・・・・・・・私は手を差し出したのであって、いきなり抱きつかれて王子と言われても・・・・」 「そうです！それにアレックスさんはくるみさんのものじゃなくてキャプテンの・・はうッ！」 ジョセフィーヌさん、そんなに冷やかされるのがお嫌いですか。あ、なんかとっても怒ってるみたいです。アレックスさんはまだ“ぎゅー”ってされてて動きがとれずに困ってるみたいです。 「・・・・・・・・早く続きをしたほうがよいと思うのだが。」 史生さん、そう淡々と言われてもあれをひっぺがすのにはＴＮＴ火薬１トン以上の破壊力が必要で・・・・・・とにかく中尉、進めて下さい。 「僕は３年生のアレックス。怪我はないようだね。遅刻するといけないよ。急いだ方がいい。」 アレックスは優しくそういうと片手を上げて下駄箱へと軽やかに走って行った。くるみは目をうるうるさせながらアレックスの背を見送った・・・・って見送っている暇はないと思うのだが・・・ 「そうだったわ！いやーん、遅刻しちゃうー」 始業ベルと同時に走りこんでぎりぎりセーフで教室に入った彼女を担任教師が出迎えた。昨日転校の打ち合わせの時にも会っていた先生だ。くるみの視線の先にいたのは・・・★★★ ここでまたお客様にお尋ねします・・・・・・・先生は一体誰？おお、今答がありました。 ロマノフさん・・・・でしょうか。 またマリオが背中を1つ叩いて送り出してますね。ロマノフさんは既にスーツを着ていたので、ちょっと参ったなというように頭を掻きはしたもののすぐにスタンバイ完了です。ロマノフさん、社会科（世界史）担当の「由利先生」ということでよろしく。教壇に立って・・・・なんか凄くはまり役なんですが・・・ 「中里君、来ないので心配していたところだ。さっそく君の紹介をしよう。・・・・・ん？どうしたね？」 「おじさま・・・・スーツ姿も渋くて素敵ですぅｖｖｖｖｖｖｖｖｖｖ」 きらーんｖと目を輝かせているくるみを見て外野で光太郎達が手で目を覆っている。・・・・・仕方ないだろうが、くるみはくるみなんだから。由利先生も汗をかいていたがすぐに気を取り直し、くるみを皆に紹介した。くるみも自己紹介する。 「中里くるみです！この学院のことはまだよくわからないのでみなさんよろしくお願いします！」 あ、また総帥が何か言っとります。ちょっと聞いてみましょうか。 「いいですと？こういったお話においては教師の存在というものが侮れないのですわッ！立場の問題とか年齢差なんてなんのそのですわよッｖ愛の前にはすべてが無力ですのよッ！」 だからッ！その知識はどこから仕入れたんだッ！・・・・可哀想に、ロマノフさんが青くなってるじゃないですか。あ、でもすぐ立ち直った。さすが年長者は違いますね。 「中里君の席は・・・・右端から２番目の列の前から３番目だ。」 くるみはいわれるままに席についた。彼女の隣の席には★★★ さて、隣の席の子ですよ～ 同級生ですよね・・・・ラン君かな？ あのーどうして皆さん男ばっかり書き込んでくださるんでしょうか・・・・べ、別に男限定って銘うってはいないんですが・・・・（大笑）このままでは女性キャラクターが増えない・・・・・・ううう、確かに恋愛シミュレーションだと同性の友達も出てくるものの異性ばかりがどよどよと増えていくという実際の学園生活を考えると“なんか間違ってない、これ？”状態になりますが・・・・・ま、隣は異性のことが多いのかな。 ランは大笑いするシルにむっとし、シルの袖口を掴んで一緒にひっぱっていく。いいんでないか？貴重な十代女性なんだから同級生として出張ってくれれば管理人も嬉しいです。ランが危険に陥りそうになったら助けてやるがよかろう。 くるみは隣に向かって笑顔を作り、こう言った。 「よろしくー。普通の子も大好きよｖ」 くるみ・・・・・その言い方、怖い。ほら、ラン君引きつってるよ。 「へ？・・・・・・（汗）・・・・・・僕は呉（←ほら、一応苗字がクレイトンなんで）蘭太郎（←忍たまか？）ひ、ひとまず何かわからないことがあったら聞いてね。」 総帥“そして、なんでもないところからでも恋ははじまるのですわッ！”って周りに主張しまくってるよ。 「えーと。ひとまず・・・・あなたの席の横に大きなテディベアがあるんだけど、それ、あなたの？」 「え？・・・・・!?」 はい、おと～さん、ちゃっかり壁にもたれて座ってます。今日はえんじのりボンに白い水玉が散っていてかなりラヴリー度アップ。 「見なかったことにしてくれない？チェイス、どうしても出たいっていって聞かないから・・・・」 しょうがないなぁ・・・・・じゃ、見える人にしか見えない謎の熊とでもしましょうか。あ、ぎゅーってしてるよ、くるみ。 「だって、このテディ、とってもさわり心地がいいー。ふかふかだしーｖｖ」 ま、おと～さんをギューッｖｖしている分には問題ないでしょう。 そんなこんなで朝の学級活動は終わり、一時間目の授業が始まった。ガラリと戸が開き入ってきたのは★★★ 意外に白いウサギさんとか？身振りで授業？ ・・・・・お客様たちは管理人を苛めるつもりなのですね・・・・・（涙）（ここでイナバさんが入ってくる展開なんて考えていませんでしたよぅ・・・）でも、仕方ないです。イナバさん、そのまんまの格好でいいから来てください。あ、さすがにぎくぅ、としてますね。 「いいですこと？相手が人外の場合でも可能性はあるのですわッ！魔王の嫁になったり、敵と恋に落ちたりするのもまた1つの方向性として認められていたりしますのよッ！」 ・・・・・・すげえや、総帥。あ、イナバさん、よろしくお願いします。 教卓の上には白い兎がちょこんと乗っていた。にこにこしながら皆にむかってぴょこんとお辞儀をする。手には黄色のチョークが。・・・・どうやら授業に来たのではなく色チョークの補充に来たらしい。 「きゃｖラヴリー！ ・・・・・・・・いきなりラヴリーかい。もっと驚くとか何とかいう普通のリアクションはないんかい？くるみが突っ込む、イナバさん間一髪でかわす！更に突っ込んでいくくるみ！イナバさんまたかわした！おおっと、フライングボディーアタックだ！いや、まだまだッ！ラリアットが炸裂ッ！ おお、また光太郎達が天を仰いでいる。慎一が呆れてブツブツ言ってますね。 「光太郎。俺、格闘技対決を見ている気がしてきた」 「慎一、俺もだよ」 イナバさん、どうやら息が切れた模様。ひょいと白い大きな袋を取り出してその中に飛び込んでしまいました・・・・イナバさんにも荷が勝ちすぎていたか・・・・ 「どうしたの？中里さん、一人で暴れて・・・・」 どうやらくるみ以外にはイナバさんの姿は見えていなかったらしい・・・ そのときまた扉ががらっと開き、本来の先生が！それは★★★ ちょっと怖い気もするけれど、教授をお願いします！ ・・・・管理人も怖いですよ・・・・・（笑） １時間目は物理の授業だった。テンションは高いが難しい授業に大半の生徒はお休みタイムに入ってしまっている。 「うーむ。嘆かわしい。科学する心を持たない人間は地球の平和を守れないぞ！なぜこのような重要なことを聞き逃せるのぢゃ！高層ビルから20メートル離れた隣のビルへ飛び移る際の初速度の計算ぢゃぞ！ヒーローをやっていくためには必要不可欠じゃろうがッ！」 ・・・・・あのー、それは皆ヒーローをやる気がないからなのでは？ 教授の嘆きもうつらうつらする生徒の耳には入っていかない。あ、ラン君もシルも物凄く真面目に聞いてるけど、これはお芝居だから居眠りした振りをしててね。・・・・・・くるみは・・・・・地で爆睡かいッ!?23歳大学院生が十代の青少年の前で寝こけてどうする！？・・・ま、芝居上これでいいんだけど・・と、突然がらっとドアが開いて大またで入ってくる生徒がいた。 「こらッ！また遅刻しおってッ！」 その生徒は★★★ 爆破屋はいかがでしょう ニヤニヤ笑って野次飛ばしていたマリオ、吹きました。 「俺にこのチンケな学生服を着ろというのか！？」 「何言ってるんですか。呼んで下さったんですよ。感謝しなけりゃ。」 うんうん、カイユンのいうことが正しい。 「着ても似合うはずがないだろうが」 お客様もおっしゃっていましたが、８０年代の不良みたいにじゃらじゃら付けたいんですね、マリオ。大体、このサイトには遅刻して授業に入って来そうな奴なんて他にはあまりいないんだから自業自得だってば。ほーれ、早く来い。 ・・・・・・観念したマリオが着席、着席するなり高々と足を組んで居眠りを始める。予想通りの反応で嬉しいわな。さすがのくるみも目、ぱちくりだが。 「呉くん。あの人は。」 「あ、鞠尾先輩だよ。本来1つ上の学年なんだけど、なんかいろいろあったらしいって噂」 「ふふふふふーｖ影のある同級生発見・・・・」 ああ、また光太郎達が天を仰いでいます・・・・・ 「いいですことッ！不良っぽい、というのも大きなポイントですわッ！最初とっつきが悪くてもハートは金でできているような方も多いのですわ！一年留年、といってももしかして行方不明の妹を探していたとかそういうこともあるかもしれませんことよッ！」 ・・・・・・・・・総帥・・・・・・・・あなたは・・・・・・・もしや、マニア？ そんなこんなで一日が終わり、くるみは職員室で課題などの説明を受けていたが、気づけばもう下校時刻となっていた。 誰もいない廊下を歩いていくと何かすすり泣きのような声が聞こえてきた。 「そういえば呉君がいってた。この学校にはいくつかの[不思議]があるって。・・・」 少し怖いながらもすすり泣きの方に歩いていこうとすると、そこに深紅の薔薇を胸につけた紫色の詰襟（マント付）の男子学生がすっと現れた。 「娘ごよ、それ以上先へは行かぬ方がよい。」 ・・・・・・・・・・勝手に出たな、ジンベエ。 「あなたは？」 「うむ。私はこの学園のアイドル“薔薇の君”である。」 胸からとった薔薇の香りをそっと嗅ぎ、その花をくるみの手に乗せた。 「心配ない。トゲは念入りに落としてあるゆえな。」 「薔薇の君・・・・・！？」 「ふふ、それだけではない。学生でありながら理事長も勤めておる。・・・・・むろん秘密であるが。」 ・・・・・・・言ったら秘密でなくなるであろうが。 「とにかくこの先へは進まぬことだ。誰しも命は大切であろ？いくぞ、教頭。」 “薔薇の君”の横からすっと現れるスーツ姿の大柄な男・・・・ 「あの方ですのねッ！」 うわ、いきなり大声出さないで下さいよ、・・・・・あ、ブルーさんも怯えてる。 「私も出演いたしますわ！出なくてどうするというのですのよッ！」 落ち着いて落ち着いて。今日はもう放課後でお話の新しい展開は明日以降ということで・・・・・ 「わかりましたわッ！明日必ず出演いたしますからッ！」 ・・・・・・・気合はいってるな・・・・・・その気合を世界平和のために役立ててほしいな・・・・・・と、とにかく先続けましょ。 くるみは何だか怖くなって校舎から出た。帰宅途中、電車に乗りながらいろいろなことを考える。転校初日、いろいろな人に出会い、不思議な出来事にも出会った。でも・・・・・きっといいことがおこりそうな気がする。 くるみは家の前に立った。ミッキーがついたキーホルダーをとりだし、鍵をあけノブをひいてドアをあけ・・・・ あれ？どうしたの？はいらないの？ 「管理人さん、こういうときは『ねーちゃんお帰りー！』っていって出迎えてくれる可愛い弟っていうのが定番なんですけどー。」 弟キャラか、うーんそういや優作君が丁度中学生で・・・・・ いない・・・・・・・ 逃げやがりました・・・・・・(T_T） さすが史生さんの弟、判断力に長けているって・・・・・あとは誰が・・・ あ、制服着たマリオがカイユン引きずってきてますよ。 「あのッ！僕はもう20歳過ぎてて!!!!」 「縮め！」 「ほえ？」 「この間の“大江戸へっぽこばなし”でも縮んでいただろうが？」 「どうして！どうして僕が縮まなけりゃいけないんですか。大きくなった僕って言うのはヘンテコな存在なんですか？」 ジョーが苦笑してますね。 「いや、ヘンテコなんてことないわよ。・・・・・かっこかわいいというかそんな感じで・・・・でも・・・・・」 あ、姐さん、くるみちゃんがきらーん、と目を輝かせているのに気づいたみたいですね。 「・・・・・・・はあ・・・・・ひとまず何かあったら私が守ってあげるから。頑張ってらっしゃい。」 じゃ、先に進めます。 「お隣のくるみお姉ちゃん、お帰りなさい。」 くるみが横を見ると隣家の中学生海（カイ）君がにこにこ笑っていた。 「海君、ただいまー！」 お。ぎゅーっとしに行ったところを交わしましたね。さすが伊達に仕事屋としてのトレーニングは積んでません。 「んー、ま、いいか。海くん。ところで、私とみんなとの親密度ってどんな感じ？」 「は？？？信密度？」 ・・・・・・また総帥が皆に“信密度”だの“爆弾”だのレクチャーしてますよ。 「・・・・・・・あ、ごめんごめん、いいのいいの、海君、これからもよろしくね！」 挨拶してくるみは家に入っていった。 さて、一応メインメンバーは揃った（・・・・・のか？）以下次回。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 翠の髪の吟遊詩人は椅子に座りふうっと息をついた。今回は平和だ・・・・・変な派手な服を着なくてもいいし（管理人はブレザーよりあんたの日常着の方がド派手に見えますが）抱きつかれもせず、自分に靡かない女との絡みもない。さてと、と立ち上がったカナンの鼻先にシーマは指をつきつけた。 「次回はあなたも頑張ってくださいましね！」 「いきなり何だ!?」 「今の時代は『白かったり黒かったり』するキャラクターが受けておりますのよッ！いいですわね！・・・・・・・・魔法にかけてはあなたより私のほうがおそらくは上。逃げても無駄ですわよ。」 カナンの試練はまだ始まったばかりであった。 今度こそ本当に次回に続く |
| おそらく管理人は恋愛シミュレーションに対してなにか間違った認識を持っているような気がするのですが(^_^)こんなものなんでしょうか。また続いてしまいました。すみません。チャットでご回答下さった方本当にお世話になりましたｖ |