①みんな集まれ！
2004年６月下旬の某日、管理人はサイトに居住するオリジナルキャラクターの面々に手紙を速達で送付した。”緊急命令”・・・・管理人の命令に従わなかったなら、続きを書いてもらえなくなるかもしれないという思いで、（ほんの一部ではあるが『面白そうｖ』という反応もあった）取るものもとりあえず各人は指定された会場に駆けつけた。 会場の壁面には 「77777記念双方向アドベンチャーを開催します。お客様のリクエストによって登場人物が決まっていきますので今回は全員が出演するわけではありませんが皆、よろしく。こころするように。」 と書いてある模造紙がどかん、と貼ってあった。 翠の髪の吟遊詩人は模造紙を見て吐き捨てるように言った。 「全く・・・・何を考えているんだか。」 すまない、カナン、余りたいしたことはこの管理人考えてはいません。 「・・・・・・・またド派手な服を着せられたり、靡かない奴との絡みを作られたりしたら魔法で灼きつくしてやるぞ・・・・・」 その横合いをファナがにっこり笑って通りすぎるとカナンは背筋をびくぅっと正した。・・・・・余程苦手らしい。ラルフィスが笑い、長兄は豪快に、次兄は少し不穏な顔をして笑う。リースは“今度は何をやらせてくれるのかな？”とわくわくしている様子が顔に書いてある。ジョー達のチームは揃って到着し、巨大テディベアも両手にランとシルを抱えて入場、所在無げな史生姉さんの視野に入らぬようにチュースケは待機している。「ば」の字の話は居住地が無闇にばらけているせいか、同じ世界に暮らすもの単位で現れた。くるみははりきって“いっちばーん”なんて叫びながら集合時間の２時間前に到着していたが・・・ 集合地は撮影所のようなところであったが、くるみが到着する前から仔ペンギン部隊が工具片手にトンカントンカン実物と見紛うばかりの精巧なセットを組み立てていた。そして、“おそらく自分に出番はない”と判断したイナバさんが両手に小道具を持って右往左往している。・・・・・それは光太郎達と史生達にはよくわかるものばかりだったがそのほかの人々は首をひねりっぱなしだった。・・・・いや、わかったら怖い。いったいどんな話が始まろうというのだろう、前回の「大江戸へっぽこばなし」の時と違って台本もまだ配られてはいないのだ。 いい加減じりじりしてきたところに、仔ペンギン部隊が新たな模造紙を持って現れ、先程から貼られているものの横にガムテープでしっかりと貼り付けた。 「管理人より 今回は高校を舞台とした学園もののため、30代以上のものは教師役として呼び出される可能性が高い。ゆえにそのために用意されたものを適宜着用して待機すること。10代の者は男はブレザー、女はセーラー服着用。20代は適当に判断されたし。 以上」 どこからか吹く音が聞こえたが、構ってはいられない。もう管理人は恥を捨て切って開き直っています。 イナバさんが光の速さで用意してきた衣装の山を前にしばし逡巡。 年齢でしっかり指定されている者は問題なし。現役学生の優作（←史生の弟）はいつものまんまだし、ランもシルも違和感なし・・・って、シル、あんたやっぱり可愛いわ。だから肩をいからせるんじゃありません。ラルフィスはちょいと肩の辺りがきついですか？漁師さんですものね。リースも十分に学生にみえますわ。 問題は20代の連中。くるみだけは管理人から「君が主役だ。セーラーを着るように」と言われ、筋金入りのコスプレ魂もあいまってまったく違和感なし・・・というより、現代的な高校生そのもの。カバンにでかいマスコットつけてるし、スカート丈膝上10センチだし・・・・・しかし、それ以外では女子高生が似合いそうなおなごがいるかというと・・・ファナ姉さんくらいですか？・・・ま・・・いいか、出たとこ勝負でいきましょう・・・（ジョーや白金や総帥にセーラー着せたいという方はご随意にご想像下さい・・・・・・スカート丈長くしてヨーヨー持たせたくなるのは私だけですか？《すみません、このネタ古すぎてわからない方が多いかも》）・・ってくるみ、あんた、光太郎にセーラー勧めてどうするよ？ 「えーッ！光ちゃん、セーラー似合うのにッ！着ないなんて勿体無いッ！社会の損失だわ！他の人が許してもくるみが許さないからッ！」 悲鳴を上げて逃げ回る光太郎を見て白金が笑いをかみ殺しているが助けるつもりはないらしい。隣でフィリアも笑っている・・・・。 ・・・・・で・・・・・・ジンベエよ。制服はブレザータイプだというのにお前は何ゆえ紫色の詰襟を着ているのかね。しかもマント羽織って深紅の薔薇付きで・・・・・満面に浮かべた笑みで物凄く楽しんでいるらしきことはわかるのだが・・・・・ 結局20代の面々は一部を除いて殆どは様子見で着替えずに待機状態であった。・・・もっともソーンダイクは様子見というより、何が起こっているか現状把握できないために着替えていないらしかったが・・・ 仔ペンギン部隊は次々とセットを作っていった。校庭、屋上、校舎裏、教室内、くるみの自宅・・・・それに負けずにイナバさんも小道具の配置に奔走している。右前足に黒板消し、左前足に掃除当番表。背には黒板に円を描く為のコンパスを背負っているあたり、日本の教室事情に相当詳しいようだ。イナバさん、でもね、教室に招き猫を飾るのはどうかと思うんですが・・・そんなイナバさんを見ながら 「ぎゅーっとしてすりすりしたら気持ちよさそうｖｖ」 などと感想述べるくるみ。イナバさん、気をつけて下さい。 おお、カイユンは如才なくお客様に好みを聞いて日本茶やココアを振舞っておりますね。ブレザーの上からかけた白いエプロンが眩しいです。 ブーッと開演間近を報せるブザーが鳴った。カイユンはお客様に一礼して楽屋に引き上げる。仔ペンギン部隊は完成した校門のセットに「私立さきがけ学院」という看板をかけると嬉しそうに撤収していった。ゴン爺は花壇に見事なアジサイを植えて退場、さらに爆破屋が時限爆弾をアジサイの陰に仕掛け・・・・何をするかッ！撤去しろ！ お客様方は湯のみやティーカップを手に見守っておられます。・・・・・さて、これからしばしの間、管理人のへっぽこ話にお付き合いいただくことになります。よろしくお願いいたしますね。 |
| 開幕準備編、です。チャットにご参加下さった方も初見の方もしばらくお付き合い下さいませ |