『お揃いのがお好き？』 ここはエンドール。導かれし者たちがしばしの休息をとっています。 勇者とライアンは武器を見に、トルネコとともに彼のお店へ。 クリフトは教会へ。ブライは神経痛が痛むとかで寝ています。 さて、女性陣は…？ 「姉さん、姉さ〜ん！…もう、ちょっと目を離すとすぐにこれなんだからっ！」 おやおや、ミネアさん、すっかりおかんむりですね。 「ん〜。ミネアさん、マーニャさんがどうかしたの？」 うたたねをしていたらしいアリーナが、目をこすりながら出てきました。 「あ、アリーナ。起こしちゃってごめんなさい。姉さんがいないのでつい…」 「じゃあ、わたしが捜して来てあげる！待ってて！」 「あ、でもきっと姉さんの行き先は…。あ、アリーナ、待って〜！」 ミネアの静止もむなしく、アリーナは駆け出して行ってしまいました。 「あぁ、どうしましょう。私は今、手が離せないのに…」 ひとりたたずむミネアなのでした。 その頃、みなさんの予想を裏切らず、マーニャはちゃんと(！)カジノにいました。 「あ〜、もうっ！ちょっとぉ、この台おかしいんじゃないのぉ〜！！」 おやおや、こちらも相当おかんむりですね。 「マーニャさん！」 「（ぎくっ！）…あはは、お姫様、どうしてここに？」 「マーニャさんを捜しに来たの。でも、何しているの？」 「あははは…。ん〜なんていうかな…。しゅ、修行…。そう、修行みたいなものよ」 「修行！（きらりん！）ねぇ、それで何が鍛えられるの？」 「……ん〜、動体視力と、タイミングの取り方、かな…？」 「面白そう！ねぇ私にもやらせて！」 （どうしよう………） マーニャは悩みます。 アリーナがいる以上、ここに来ていることはバレバレですので、 ミネアに怒られるのは目に見えてます。 加えて、お姫様がここにいたというだけで 口うるさいお爺ちゃんと堅物神官にグチグチいわれるのも想像に難くありません。 どうせ、めいっぱい怒られてしまうのなら。 （お姫様の運を試して見るのもテよね♪） 「いいわよ」 「ほんと？何をすればいいの？」 「簡単よ。まずはここに座って」 マーニャは自分の席をアリーナに譲り、説明を始めます。 「いい？このレバーを引くと、そこの数字が回り始めるの。  このボタンを押すと数字が止まるから、タイミングよく数字を揃えればいいのよ」 「わかったわ！」 アリーナ、やる気充分です。 「じゃあ、コインをいれるから、レバーを引いて」 ちゃりん。 がっしゃあ〜〜ん！！！ 「お、お姫様！そんなに気合を入れないでよ。壊れちゃうじゃない！」 「あ…ごめんなさい…」 「…ま、まあ気をつけてくれればいいのよ。ほら、ボタンを押してみて」 「うん」 ぽち、ぽち、ぽち、ぽち、ぽち。  “ １ ２ ３ ４ ５ ” 「これでいいの？」 「（い、いきなりやるじゃない…）   お姫様、そういう揃え方じゃなくて、同じ数字を並べないとだめなのよ」 「そうなの？わかったわ」 がしゃん！ （真剣な間…） ぽち、ぽち、ぽち、ぽち、ぽち。  “ １ ２ ０ ０ ０ ” 「これは？」 「う〜ん、確かにキリはいいけど、揃っているのは３つだけなのよね…」 ちゃりんちゃりんちゃりん！ 「あっ、何か出てきた！マーニャさん、これは？」 「………。そ、そう、これはね。ご褒美みたいなものよ。  目を揃えるほどいっぱい出て来るの。その方が張り合いあるでしょ」 「そうね。でもこれ、本当のお金じゃないんでしょ？何に使うのかしら？」 「ま、まあ、細かいことはいいじゃない。さあお姫様続けて。全部揃えてみてよ♪」 「うん、がんばるわ！」 がしゃん！ （以下、省略）  “ １ １ ４ ４ ４ ” 「む〜…」 「う〜ん。ポーカーだったら、フルハウスでいい手なんだけどなぁ…」 「ぽぉかぁ？ふるはうす？」 「あ、ううん。こっちの話（汗）。そうだ、お姫様、ボタンを押す順番を変えてみたら？」 「そうね」 がしゃん！ ぽち、ぽち、ぽち、ぽち。  “ １ １ ○ １ １ ” どぅるるるるるる〜♪　（←ドラムロールです…） 「な、何？この音？」 「リーチよ、リーチ！」 「りぃち？」 「とにかく、あと一つ揃えればいいだけよっ！頑張って！！」 「う、うん」 みょーにハイテンションのマーニャの気迫に圧されつつも、 アリーナはタイミングを図っています。 「…………………………」 かなり真剣です。 ついに、彼女の人差し指がボタンに向かって伸びていきます！ その時！！ 「「姫さま！！！」」 「！」 ぽち。 思わず押してしまった、その結果は…  “１ １ ９ １ １ ” 「「あ〜！もう、もう少しだったのに！！」」 口惜しがるアリーナとマーニャ。 そこへ、 「姫様！爺は哀しいですぞ！仮にもサントハイムの、ムガムゴゴ…」 クリフトが慌ててブライの口を塞ぎます。 「爺さま、このような所でそのようなことを大声で言われては…。  姫さま！ここでいったい何をしておられるのですっ！」 （あちゃぁ、ミネアよりも厄介なのが二人セットで来ちゃった……） マーニャは思わずこめかみに手をやります。しかしアリーナは、 「見てわからない？修行よ、修行！」 「「はぁ？」」 ぽかんとする二人。 「マーニャさんが教えてくれたの。もう少しで成功するところだったのに。  爺とクリフトがいきなり声をかけるから、失敗しちゃったじゃない！  よ〜し、もう一回よ！二人とも、ぜーーーーったいに邪魔しないでね！！」 がしゃん！ 「あの〜…」 「黙って！！」 仕方なく沈黙する二人。 けれどブライは今にもマヒャドを発動しそうな顔でマーニャを見ています。 視線に気付いたマーニャがそ〜っと立ち去ろうとした、その時！！ どぅるるるるるる〜♪ 脳天気なドラムロールにつられて、思わず全員が台に注目です。 「こ、これはっ…」 「しっ、お爺ちゃん、黙って！」 「…………………」（←クリフト） ぽち。 　 “ １ １ ○ １ １ ” 　　　　　　　　　↓　かしゃん  “ １ １ １ １ １ ” 「「！！！」」 ちゃ〜んちゃちゃ、ちゃちゃちゃ、ちゃちゃちゃ、ちゃちゃちゃ♪　（以下、繰り返し♪） 「ふ、フィ〜バ〜じゃぁ！！」 「きゃあ！お姫様、ついにやったわね！すごいすごい！！」 はしゃぎまわるふたり。……って、え、ふたり？ 「さぁ、後はこのマーニャさんにまかせなさい！  コインちゃん達、すぐにお宝に変えてあげるからね♪  …って！ちょっと、お爺ちゃん！そこどいてよっ！」 「いや、どきませぬぞ！ マーニャさんに任せていたら、  せっかくのチャンスもすぐに水の泡になってしまうであろう？  ここは人生経験豊かなこの爺がっ！」 「な、何言っているのよぉ〜！そもそも、お姫様に勧めたのは私なんだからねっ！！」 「いやいや、姫様の後始末はこの爺の役目！絶対に譲りませんぞっ！！」 な、なんだか大人げない戦いが繰り広げられていますが………、 あれ、アリーナは？ 「う〜ん…」 「姫さま、どうされました？」 「目が痛い…」 「このように薄暗い場所で、あのように台を見つめ続けているからですよ」 「……目が開けられないよ〜…」 「姫さま…、ちょっと失礼致します」 ひょい。 クリフトはアリーナを抱え上げると、未だ争っている二人を置いて外へ出て行ってしまいました。 お日様がさんさんと照っている中、クリフトはアリーナを抱えて宿屋へと急ぎます。 今だ目が開けられないアリーナは、おとなしくクリフトにつかまっています。 「姫さま、目の具合はいかがですか？」 「まだ、ちょっと痛い…」 「疲れ目ですね。そうして目を閉じて休めているのが一番です。  宿に戻ったら、一応呪文をかけてさしあげますよ」 「ありがとう」 てけてけてけてけ…… 「ねぇ、クリフト」 「何ですか？」 「さっき、どうして爺はあんなに怒っていたの？」 「…姫さま、あそこがどんな場所かご存じなかったのですか？」 「？」 アリーナは首をかしげています。どうやら本当にわからないようです。 「あそこは賭博場です。一攫千金を夢見て遊びに興ずる人たちが集まる場所、  と以前爺さまが言っていたのを覚えてらっしゃいますか？」 「！」 驚きのあまり思わず目を見開いてしまったアリーナ。 ですが、まだ痛むのでしょう。すぐにその目を閉じて俯いてしまいました。 「だって、この前来た時みたいに看板がキラキラしていなかったし、  私、急いでいたからあまりよく見ていなかったし…。  どうしよう…爺に怒られても仕方ないわ…。……クリフト、あなたも怒ってる？」 「いいえ。ご存知なかったのなら仕方がありませんよ。  爺さまも…そう考えてくださいますよ。ええ、きっと」 「よかった！」 アリーナは嬉しくて、一層強くクリフトにしがみつきました。 ぎゅっｖ 姫さまの無邪気な攻撃に、クリフトの顔はたちまち真っ赤になります。 でも、きちんと言うべきことは言わないといけません。 深呼吸を一つして、気を落ち着かせてから、 クリフトは、しごく真面目な声色をつくってアリーナに言いました。 「ただし、これからは行かないで下さいね」 「ええ、もうどんなところかわかったもの。もう行かないわ」 アリーナはにっこり笑います。 その笑顔は本当に可愛かったので 姫さまが目を閉じていてよかった… と、また顔の熱があがってしまったクリフトはしみじみ思うのでした。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ちゃんちゃん♪ え？　マーニャとブライですか？ 何でも、姫さまへのお説教はなかったようですので、きっと…（笑） 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おしまい。

５桁ＨＩＴのお祝い（で、いいんですよね？にとても可愛くて面白いお話を頂きました。 尚、頂いたときのファイル名は「siosenbei」でした。 『せんべいにざら目をぶっかけたような中途半端なシロモノに…(T_T)』 とは、ご本人の弁でしたが、管理人には十分に甘く思えますですよ(^^)。 そらまめさんが普段お書きになる姫＆神官は、ステキな甘さの恋人（キャッｖ）なのですが、 このサイトのぽややん神官とわかっちゃいない姫モードに無理やり合わせて頂いてしまったようで申し訳ないです。 姐さんは相変わらずで爺さまはおやおや意外に・・・・・ そして神官は姫さまに優しくて・・・・うふふふふ。 ばんばんばんばんばん（←またコタツ板を叩いているようです） ウチのサイトの神官や魔法使いや姫の言い回しをばっちり研究してくださっています！有難うございます！ 実は、スロットルで姫がたたき出している番号はすべてそらまめさんがこのサイトで踏まれた番号なのです！ 管理人、教えて頂いておおおおおおおッ！と叫びそうになりました。 そして文中に使われている以外でも 10666（あの一世を風靡したお〜めん）　１０９９９　１２５５５　１３３３３などのぞろ目を踏まれているのだそうです！ そして！さらに！１３５７９まで踏んで下さいました！ ということで、このページの題は「そらまめさんの華麗なる踏みあとのお部屋」なのですｖ これだけ踏んで下さったということはそれだけ何度も通って頂いていることですｖ ああ、感謝感激でございます。

＊＊＊＊華麗なる踏みあと改訂増補版(2002.12.31）＊＊＊＊ そらまめさんに、『また何か面白いものを踏まれたら教えてください〜ｖ』という管理人の図々しい お願いに、そらまめさんが答えて下さいました(^^) 「←」がついているのは上のお話の中で出てきた番号です。サイト開設当初、キリ番自己判断制とをやっていた頃でしたら、すべて立派なキリ番です。 11444← 11911←　　 12000← 12555 10666 10999 11111← 12345← 13333 13579 14789 14888 16222 16888 16969 17888 18666 18418 23311 19555 19990 20000 23600 25250 26266 26665 29292 29922 ああ・・・・・ほんにこんなに踏んでくださって・・・・・<(_ _)>踏まれて喜ぶ管理人でございます。