「ふう・・一応お菓子はゲットしましたわよ。・・・・なんだか疲れてきましたわ。」 確かに・・・この双六、肉体労働系だからね。・・・副官の方がずっと疲れてるはずだけど。 「オペレーターＢチーム、転がすのだｖ」 相変わらず爽やかなジンベエの声にシーマはサイコロを振る。７・・・あんまり出目がよくないですね。 とにかく進む。おお、なんかつづらが３つ置いてありますが？そして半紙に墨で指示が このつづらにはそれぞれ鳥が入っている。酉年にもっとも相応しいと思われるつづらを選べ。 航法士がはしゃいだ声を上げた。 「これはサービスのコマですよｖ選ぶだけでいいんですから。みんなの支持があればもう一度サイコロが振れるはずです。」 シーマはつづらを調べた。大きいのと、もっと大きいのと、それより大きいの・・・ 皆大きいのかッ！ つづらの蓋は固く閉ざされているが持ち上げることはできそうである。 「ちょっと持ち上げてみませんこと？」 シーマに言われ、３人のオペレーターがそれぞれ箱に取り付く。・・・みんな大きいが、相対的な大きさとして大・中・小としておこう。 小さいつづらを持ったオペレーターが言った。 「あ、これは意外と軽いです。・・・そして・・・・なんか中で動いてますよ！一つじゃなくて！」 キャッ、キャッｖという楽しそうな囀りが中から聞こえてくる。これは…きっとアレだ。アレ。といってもシーマにはわからないやもしれん。 中くらいのつづらをもったオペレーターが言った。 「これは・・・持ち上げられないこともないですが重いですね。大人の男くらいの重さはありそうですよ。65キロくらいでしょうかね。」 65キロか…きっとアレだ。アレ。 「他に特徴はなくって？」 「ええ、動きもないし、特には・・・・うわ！」 ・・・つづらからは触手のようなものがにゅっと出てその先にぱっちりとした黒目がちの目が出来、あたりの様子を覗っていたがしゅっと引っ込んだ。 「こ、これ、本当に鳥なんですかッ!?」 「怖がってないでこっちにお戻りなさいな！そちらの一番大きなのはどうですのッ？」 大きなつづらを持ち上げようとした航法士が唸った。 「こ、これは重いです！僕が非力なせいもあるでしょうが、持ち上げたら腰に来そうです！」 「何か気づいたことは・・・？」 航法士は鼻をひく付かせた。 「これは・・・・お酒かな。ブランデーの匂いがします！」 彼だな。彼。いい気持ちになって寝ているところを拉致されたのだろう。 さて、サイト内をくまなく巡って下さっているお客様にはもうどれに何（誰）が入っているかおわかりのことと思います。（おわかりでなくても大丈夫ですよ。大したことはおこりませんから） さて、どれを開ける？ 小さいの 怖いけど中くらいの 大きいの |
シーマは小さいつづらを開けた！すると中から20羽の小さなペンギンが飛び出してきた。ペンギンたちは狭いところに押し込められていたせいか、飛び出すとあたりをはしゃいで走り回り始めた。これでは新年の干支に相応しいとは言えない。 なるように任せる 気合いを入れる そのままにしておいたところ、仔ペンギンたちは飽きてきたのか床に座って休み始めた。 「あなた方。」 「はい？」 「何か『お正月』とやらのアイテムはないかしら？」 一人が「新年コマ回し大会」に向けて練習していたコマを３つ懐から取り出した。シーマがそれを床に置くと、やがて好奇心たっぷりの仔ペンギンはコマ回しを始めた。回るコマに器用に乗っている奴も居る。 「ま、これで勘弁してもらうとしましょう。」 総帥のカリスマに＋１して下さい。 さあ、ゴールに行きますよ！ 無政府状態で遊びまくる仔ペンギンをシーマは一喝した。さしもの彼らも動きを止める。 「よろしくって。今は『正月』という行事がメインらしくってよ。あなた方、ただ数が居ればいいというものではありませんわ。・…チームプレイというものをお見せなさいな。あなた方、できないといいますの？」 ざわ・・・と仔ペンギンたちは動揺し、一旦散会すると、手に手に小さな緑色の扇子を持って集合した。 すちゃ！ 全員が扇子を拡げポーズを決める。日本に古来より伝わる扇子によって松の枝を模る『松尽くし』。まっこと目出度い風景である。 「よろしくってよｖそれでこそ私が選んだ『鳥』ですわ！」 総帥のカリスマに＋５して下さい さあ！いよいよエンディングです！ 「な、な、な、なんですの！」 つづらから出てきたのは、灰色の塊だった。 「これのどこが鳥だというのですのッ！」 鳥らしいところを見せて欲しいと頼む 極めて気合いを入れてなじる 「どんな鳥でも宜しいですわッ！とにかく鳥だということを証明なさいませッ！」 灰色の塊は球形になってぽんぽんと弾んでいたが、 「おとーさん、本当は鳥じゃないんだけどなー。じゃ、瞬間芸で〜！」 といいつつも、一羽の尾長鳥に姿を変えた。 「まーッ！できるんじゃありませんこと！」 ・・・・だが、次の瞬間、尾長鳥の姿はなく、灰色の塊は障壁をものともせずにコマの外に飛び出ていってしまった。ほんとに瞬間芸だったね。 「くッ！なんか負けたっていう気がしますわッ！」 やっぱりおとーさんってシーマより強いかも・・・ 総帥のカリスマに＋０して下さい（変動なし・・・） さて、エンディングに突入です。 シーマは片足をぐい、と前に出し、灰色の塊を見据えた。 「この不定形生物。その形のどこが楽しいというんですのッ！この場合、完全な役立たずではありませんのッ！憤りを感じる人間に数多く遭遇して参りましたけれど、貴方のようなな駄目生物は初めてですわ！あの頼りない親父さまでさえ、貴方の１千万倍くらいは役に立ちますことよッ！私にあれこれ押し付けて挙句の果てに逃げ出したあの親父さまより役立たずといわれ、貴方はよく平気でいられますことねッ！」 すると灰色の塊はぶわーっと膨れた。 「平気でなぞ居られるものか！おとーさんは…おとーさんはランの宇宙一の父親なんだからな！」 そしてまばゆい光を発した。光が収まったところに居たのは…火の鳥!?・・・・・いや、目出度いことは目出度いんだけどさ・・・ひとまずオペレーター三人組も喜んでいるのでよしとしよう。 総帥のカリスマに＋５して下さい。 さあ、エンディングにＧＯ！ |
大きなつづらを開けると・・・ぬう、と大きな黒い影が立ち上がった。いわずと知れた大王ペンギン。別名キング・オブ・キングスである。 「・・・・・・・・確かに貴方は鳥ですわね。ＯＫ。干支というものに相応しいことが何かできないかしらね？」 キング・オブ・キングスはメモ帳を取り出すとさら、と文字を書いた。 “これはミッションなのか？” 「ええｖ勿論ミッションですわ！」 ・・・・その、言い切る自信が凄いよシーマ。 彼は腕組みして考え（←腕、組めるのか？）ぱち、と指を鳴らした（←指、あるのか？）たちまち、小さなつづらから仔ペンギンがわらわらと出てきてどこからともなく大きなはしごを持って来て、二十羽でしっかり固定した。キングオブキングスはするするとはしごを上っていき…一番上でやるわやるわ。逆立ち片手のりぶら下がり、これぞ出初式である。あたりのコマからやんややんやの喝采が沸き起こる。・・・ひとまず彼が鳥であったこととは関係ないが十分にお祝い気分は満喫した。 「よくやりましたわ！褒めてさしあげます！」 シーマも拍手をしたが、キングオブキングスは片手を上げただけでつづらの中へと入り自分で蓋を閉め・・・・航法士が蓋をあけたところ、もうそこには誰もいなかった。 そしてシーマは故郷に帰ってから、抗魔の力を込めたネックレスが一本なくなっていたことに気づくのであった。 侮れないぞ！大王ペンギン 総帥のカリスマに＋５して下さい さて、エンディングだー。 |