やっとのことで爆薬で破壊された部屋の整備を終えたブルーの前にジンベエは虚空から突如出現した。 「おお！ブルー無事であったか！心配したぞ！」 副官ははあ、とタメイキをつく。 「心配していたのは私の方です。・・・・・まあ、あなたのことですから大事ないとは思っておりましたが。その花は何ですか？・・・・・バラのように見えますが・・・・・・」 「うむ。これはさるところで貰い受けた世にも珍しき紫紺の薔薇なのだ。どうだ、素晴らしいであろう。ただ一つ残念なのは・・・・・・」 言葉を途中で切ったジンベエに先を言うようブルーは促した。 「いや、服に留めるとこの色では全く目立たなくなってしまうではないか。」 ・・・・・そんなことだろうと思った。 と、そのとき、午後のお茶の時間を報せにやってきた乗組員の一人がバラの花束を見て目を輝かせた。 「司令官殿！なんて綺麗なんでしょう！その紫のバラ！・・・・本当にあったんですね！紫のバラ！ああ、この目で見られるなんて・・・・・」 部下のあまりのはしゃぎようにジンベエはたずねた。 「どうしてそのように喜んでいるのだ。説明をしてくれないであろうか。」 ＊＊＊＊＊＊＊ それからしばらくたって・・・・ 「また観劇にお出かけになるのですか？」 培養に成功した紫のバラの大きな花束を持ってジンベエは頷いた。 「仕方ないであろう。紫の薔薇を持つものは新人舞台女優の支援をするのがさだめなのだ。なかなかに大変な仕事ではあるが、・・・・・仕方あるまい、行ってくるぞ。」 言葉とは裏腹に嬉々として出かけていくジンベエを送り出し、ブルーはタメイキをついた。彼の前にあるデスクには本来ジンベエが目を通さねばならない書類が山積みになっている。・・・・ ギャラクティックジョーズ副官、ブルー。彼の気苦労は今日も絶えないようである。 すみません。ガラスの仮面（少女漫画です）知らない方には何のことかわからないと思いますがご容赦くださいませ<(_ _)> ドラクエ編 ＥＮＤ |