| サモン・ナイト３ |
(エンディング後、ヤードさんルートっぽいですが、ウィルも一緒に先生やっている設定で) 島の学校の教員、ウィル=マルティー二は、空から降ってきた男を見、眉をひそめた。 ……面倒なことになりそうだ。 取り乱さなかったのは、このようなことは、この世界では起こりうることであったからだ。この世界……リィンバウムには召喚術が存在する。一時的にその力を借りるためにに、異世界の幻獣たちを召喚し、力を借りたあとには元の世界に送還する。それが召喚術の本来の姿だ。だが、召喚されるのは幻獣だけではなく、『人間』も召喚されることがある。……この男はきっとそういった人物なのだろう。……しかし、一体誰が人間を召喚したのか。この島に召喚能力がある者は数多く住んでいるが、『人間』を召喚するような必要や趣味がある奴はひとまずいないはず…… 青年の脳裏に、過去の彼の家庭教師、現在の職場の先輩教員であるアティのほわわん、とした笑顔が浮かぶ。 あの人ならば……何かの間違い(つまるところおっちょこちょい)で召喚してしまった可能性はなくはない。 ウィルは、紫色のマントの男に生真面目な声をかけた。 「大丈夫ですか。ここは『名もなき島』と呼ばれている場所です。あなたはどちらから来たのでしょうか。私たちの世界を知っていますか。」 ジンベエはウィルと握手する。 「おお、どうやらたどりついたようだ。うむ、私の名はジンベエ=フォン=シャークスコッチ、である。」 「私はウィル=マルティーニといいます。召喚術も専門としています。何か力になれることは……」 すると、握手、ではなく、ぐわしっと手を掴まれた。 「おおお！貴殿も、『召喚』をするのであるか。私は様々な魔法を使うが、メインは『召喚』なのである！そう、例えばこんな風に……出でよ！」 カーン！ (空から鍋が降ってきて頭に当たったようです) 「？？？いや、少々慌ててしまったようだ。……出でよ！」 ゴッ！ (空からスパナが降ってきて頭に当たったようです) 「いやいやいやいや！今度こそ、なのである！出でよ！」 ガツン！ (ハンマーが降ってきて頭に当たったようです) 「この世界に満ちる“気”がまだ読めぬようだ……むむ……！」 そのあとも、降るわ、降るわ、ザルやら歯ブラシやらタイ焼きやらヤカンやらガ○ガリ君梨味やら…… 何かがバラバラと空から降り注いでいる様子に、ウィルの同僚であるアティとヤードが走ってきた。 「ウィル君。いったいこれは。」 「僕にも何のことやら。降ってくるものが少々風変わりなものばかりですが、相当な力の持ち主であることは確かです。」 普段温厚なヤードの顔が硬いものになる。 「もしや……無色の派閥の……」 ウィルも息を飲む。すると、アティが、頷き、 「はい、でも……無色というより……紫色、が適切なようなｖ」 「アティさん！」 「アティ先生！」 三人で教員をしているだけあって、ノリ突っ込みも職人芸の域に達している。と、ゆっくりやってきたゲンジ校長が散らばっているものを指さした。 「こりゃあ、彼は『名もなき世界』、しかもわしがおったところから来た男らしいな。……鍋はともかく、ガ○ガリ君、う○い棒、カップ○ードル、こりゃあ、間違いない。それに懐かしい。おおい、紫の若いの。もっと頼むぞー。」 ジンベエは一瞬きょとんとし、『そうか！心得た！』と叫ぶとこまごまとした物体を猛然と召喚しはじめた。……もはや、魔獣を召喚することは忘れたらしい。 テコが紫色の手ぬぐいを前足で器用に拾い上げ、ウィルに渡す。 「なんだろう。これは。」 上機嫌で召喚を続けるジンベエ、それを横で喜んでたきつけるゲンジ。どうやらこの手ぬぐいがなんであるかを説明してくれるのはあとまわしになるだろう。ヤードはそう見てとった。 「アティさん、ウィル君。お茶にしましょう。しばらくかかるみたいですから。何がいいですか。」 「……そうですね、ほうじ茶でどうでしょう。」 「いいですね。スバルから貰った煎餅があります。あれをお茶うけにしましょう。」 風に吹かれて薄紫色の紙が舞い上がる。それをテコはしっかりとつかまえた。そこにはこう書いてあった。 『宝物庫への招待状： Y 』 |
集中更新して、そのあとは更新していませんが、今でもサモナイは大好きジャンルのひとつです。 いつかまた書いてみたいネタがあったりもします。 ブラウザバックでお戻り下さい |
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