| 宝物庫への御招待 |
宇宙戦艦(毎度のことですが、アレは戦艦なんです、お忘れなく)、ギャラクティックジョーズでは、乗員の士気を高め、また、相互信頼を深めるに当たって、文化活動及びレクリエーションを広くひろーく、深くふかーく取り入れている。そのレクリエーションの内容は指揮官たる艦長、美と愛と文化の伝道師、ジンベエ=フォン=シャーク=スコッチが彼の明晰るすぎる頭脳をフィギュアスケートのスピンの如くにフル回転させ、あらゆる意味で至高かつ究極のプログラムがずんばらり、と組まれるのだ。 ジンベエは乗員の福利厚生のためには苦労を惜しまず、文化活動の情報収集を怠らない。特に、ジャパン・エリアの文化調査に、やんごとなき身分でありながら粉骨砕身している(実際にはいろいろな意味で砕け散っているのは副官である)。先日も、「江戸下町和菓子屋スタンプラリー」で24軒の菓子店巡りを達成し、記念饅頭をゲットし、南日暮里カルチャーセンターでは、蕎麦打ちと詩吟の終了証をいただいた。……そう、しばらくの間、ギャラクティックジョーズは至って平穏であったのだ。せいぜい、三度の主食が和菓子だったり、わんこ蕎麦大会が開かれて胃痙攣で医務室に数人運び込まれたり、艦長からの朝の訓示が詩吟で始まったり……それが事件であるくらい、平穏であったのだ。 過去、「時代劇」が流行った時に、寛永通宝投げが流行したり、いきなり小太刀やら鈴やら鉄扇やら風車やら飛んできたり、「この紋所が目に入らぬか！」やら「余の顔を見忘れたか！」やら「散らせるものなら散らせてみろぃ！」やら「あっしには関わりのねぇことでござんす」やら、決め台詞も飛び交ったり、仕事人の「必殺技」を「目安箱」で募集したり、廊下を人を乗せた木製乳母車が通っていったり、いや、それどころか艦長その人が白馬に跨ってわははは、と笑いながら艦内を疾走していったり……あのときに比べればなんということもない…… そう、副官の胃薬の量もこのところは少量で済んでいたのだ。(飲まなくてよかったわけではない。) そして、2011年のジンベエのブームは、帝○劇場の「100周年」であった。新春○沢秀明、Endless SH○CK、レ・○ゼラブル、風と○に去りぬ、三銃○、ドリ○ムボーイズ、細○、ニュー○ークに行きたい、ダンス・オブ・ヴァ○パイア…… レクリエーションルームに「奈落」が設置されたり、ロープワークで司令官が空を飛んだり(←ジンベエは魔力で浮遊できるのだが、ロープで飛ぶことに妙に拘ったのだ)、銀の燭台が盗まれたり(←まず、アンティークショップで燭台を買ってくることからはじめた)、「一人はみんなのために！みんなは一人のために！」が始業の言葉となったり……そして、20代以下の乗員の７割は「華麗にバック転」できるようになった。そう、(ジャ○ーズはバック転ができなくてはいけないのだ！) 副官はその間、司令官の「文化普及活動」と「レクリエーション」が一線を越えぬように良く働き、また、よく耐えた。艦内で大火災が発生(ジンベエは、『うむ、アトランタである』と笑顔で頷いた)ときだけは、耐え切れずに怒号を飛ばし、即座に該当エリアから全乗員を退避させ、エアロックを開いて鎮火させたが…… 2011年が終わるまでは、帝○100周年記念公演は続いていたのであるが、年越しとともにそれが終了してしまい、ジンベエは次の標的を探していた。そう、新たなるアニヴァーサリーを、である。 そこにやってきた「サイト開設10周年記念」である。……奴が喜ばぬはずがない。そして、ささやかなる記念祭を行うため、非常に密やかに、副官にさえも秘密裏に準備を始めていたのだった。 「で、これはどういったものでしょうか」 マホガニー製の重厚な机には、布製の紫色のものが山積みになっていた。ゆったりとした革張りの椅子に足を組んで腰掛けた司令官は、正しい姿勢で直立した副官を見上げ、ゆっくりと頷いた。 「わからぬか。……ふッ、貴殿もまだまだであるな。……これは手ぬぐい(非売品)、という。」 ブルーは咳払いをする。 「それは存じております。私は、この手ぬぐいの用途について伺いたいと……」 すると、ジンベエの瞳がきらりと輝いた。紫紺に染め上げられた一枚を上品に取り上げ、バッ！と開く。その柄を見、副官は顎を落とした。紫紺地にくっきりと白で抜かれた宇宙戦艦ギャラクティック・ジョーズの姿……は、いい。手拭いの端には、毛筆文字で「銀河鮫」とある。……カルチャーセンターの「美しい筆文字」および「美しい筆文字・上級」受講の成果だろう。それもいいだろう。……しかし、ギャラクティックジョーズの背景の宇宙空間にラメで派手派手しく輝く星々は手拭い的にはどうなのだろう。そして、宇宙空間に何故深紅の薔薇が飛んでいるのだろう。更に、仔ペンギンが20羽ほどスペーススーツも身に付けずに舞っているのはどうだろう。そして……仔ペンギンの傍らにある竹製の串が刺された直方体は……これは……おそらく……羊羹…… 「おおう、貴殿も一目見て、我が趣向に気付いたか。……その顔は、感嘆し、ぐうの音もでない、と見た。……よくぞ見破った、さすが、我が副官である。……この手ぬぐい(非売品)は一般的な手拭いよりも幅を広く取ってあるのだ！……例えば……」 両袖机の右の一番下の引き出しを引き出し、そこから『三ノ○ラムネ』とラベルが付けられた一本の古式ゆかしいラムネ瓶を取り出す。 「この幅があるからこそ……ここをこうして……こうすれば……見よ！このように瓶をも包むことができるのだ。上高井戸カルチャーセンターの『美しい風呂敷包み講座』の応用である！……更に！このようにここをこうして……こうすれば、……どうだ、小物を入れるバッグのようになるではないか。これは、『南巣鴨ゲートボール倶楽部』の会長殿から伝授されたのである！」 ブルーは落ちていた顎をやっと戻して、問うた。 「私がお聞きしたいのは、その手拭いの使用方法ではなく、どのような目的でそれだけの数を用意されたのか、ということです。 すると、司令官は立ち上がった。 「…………帝劇ではついぞ見なかったが、この国の古典劇“歌舞伎”では客席に結んだ手拭いを投げ入れ、感謝の気持ちを示すのである。聞けば、このサイトは10周年のアニヴァーサリーを迎えるというではないか！祝い事にはプレゼントとサプライズが付き物である！私はこれからサイト内を巡り、人々にこの手拭い(非売品)を贈る。」 改めて見れば、ギャラクティックジョーズの船体には“10th aniversary!”と大書きしてある。 その手拭いをジンベエはきゅきゅきゅっと結んだ。 いきなりこういうものを初対面の人間から渡されて、どういった反応が返ってくるのか、かなり謎であるのだが、別段悪いことではない。だが…… 「しかし、このサイトにどのようなジャンルがあり、どのような人々が暮らしているか、我々にはあまりにも未知の部分が多すぎるかと……」 すると、ジンベエは、白絹の手袋をはめた人差し指で、サラ、と髪を撫で付けた。 「……わかっておらぬな。……世の中、愛と、そして、気合があれば、どうとでもなる。“愛と気合と根性さえあればコスチュームが仕上がらないことも、本を落とすこともない”のだ、とくるみが言っていたぞ……」 ……たぶん、あのギョーカイではそうなのだろう。 「では、早速出かけてくるのである！明日が期限の本国への報告書は貴殿に全面的に任せたからな！」 ……ジンベエは手拭い(非売品)と共に忽然と消えうせ、不幸な副官だけが残った。 MISSION! ジンベエが10周年アニヴァーサリーの記念特製手拭いを手渡すため、旅立ちました。愛と気合と根性で、各ジャンルへの入り口を探してあげて下さい。クリックするとパロディ短編があります。元の話がシリアスなものでも、ギャグになっていますので、お許しください。また、メインキャラが全く出てこないジャンルもあります。) ただし、トラップもありますのでよしなに。(昔からいらして下さっている方には御存じのトラップ群が各所に忘れ去られた状態で点在しています。)トラップは12種類あります。(トラップのコンプリートの方が難しいかもしれません) すべての小部屋を巡ると『宝物庫』へのキーワードのもとになる12個のアルファベットが見つかります。それを適切に並べるとローマ字読みであることばになります。それを下の○に順番通りに半角文字で並べて下さい。 http://homepage3.nifty.com/tbd-bake6022/iroiro/10ani/○○○○○○○○○○○○.html (ヒント)各入り口は下の「お手玉ペンギンアイコン」をクリックしたページのどこかにあります。 ジャンルは アケルナルの皆・スターダストチェイサー・精霊の花・宇宙警察スペースR・Happy Ending synthesis・DQ４・FE聖戦・風色サーフ・史生姉さんの事件簿・サモンナイト３・リリーのアトリエ・ワイルドアームズ、以上の12ジャンルです。 ○に入れて完成させる言葉のヒントはこのページ内にもありますが、各パロディ短編のページにも並べ順のヒントが存在しますので、ジンベエのことがわからなくてもなんとかなると思います。 |
それではいってらっしゃいませｖ |
10周年記念部屋に戻ります |